背中に滴るコーヒー。
空港の喫茶店でコーヒーを飲んでいたら、またあの厚切りバウムクーヘンが僕に語りかけるのである。
「砂糖2杯のノンシュガーでお願いします、ミルクは入れてね、あの飛行機は北海道まで行くでしょう、札幌までいくでしょう、でも気をつけてね、君の隣に座るババアは口うるさいし、タバコに火をつけるライターはもう既に落としていてないわ、路上でタバコを吸うのはどこでもやめなさいね、ところであなた背中にクリーニングのアレ、アレがついてるわよ、ねえあなたって人は…」
うるさいなバアム。
僕は食事中だ。
うるさいなババア。
僕はバウム中だ。
うるさくしてごめんね、お姉さん、今度遊びに行こうね。