くうちゅうくらげ

-A Boys Named No.28-

嫌になってきてしまってね。

とにかくなんとか東京駅に着くことが出来た。
少しばかりの旅はどうだったかな?
気分はどんな感じ?
僕は寒そうにしていたペンギンと見ることの出来なかったイルカの事を考えながら、煙と雨の中を歩いていた。

どんな風にでも気分を変えることは出来る気がする。
仮にそこで「愛してる」の一言があったとしても、気分次第でそれはいくらでも「死んで欲しい」に変わるわけだから。
仮に、そう、言われた、としても、ね。
そもそもそんなことを空想することにすら今の僕は諦めてしまっていた。
まあ僕のことなんて、はじめからどうでも良いんだけどね。

良しとしよう。
とにかく東京駅に着くことが出来たのだから。

僕は色々な事に飽きてしまってさ。
そう思っていたらなんだか憎たらしい気持ちになってきたんだ。
たとえば、どこかで僕が泣いていたとして。
誰か声をかけてくれるのかって聞かれても、想像出来る姿すらもう何処にもないんだ。
みんなも、いや当の本人ですらも、どうでも良いと思っているんだからさ。

謝意を伝えたいけれど、感謝する為の言葉がわからなくなっている。
赦されたいことには事欠かないけれど、懺悔する必要性もわからなくなっている。
僕は最近、割と真剣に、死んだ方がいいんじゃないかと思い始めている。

ばからしい。
本当にばからしいよ。