くうちゅうくらげ

-A Boys Named No.28-

任務は何だ?知っていても従う気は無いが。

死にたい、と。自分には生きる価値がない、と。誰かが言った。多くの人が見ていないふりをするのに。俺だって見ていないふりをしたはずなのに。それなのに、今日もまた理不尽にも隣の街で人が殺される。誰しも幸せになりたい。俺も幸せになりたい。それなのに、誰かが誰かを傷つける。

昨夜、寝返りを打ったら、奇妙な夢の中に彷徨い込んだ。親父と母親と兄弟とそして俺。お気に入りのクラシック波止場につく船。夏の雨、薄らぐオレンジの夕日。いつか見た飛行機ショー。俺はずっと、何か追いかけて。俺はずっと、今も孤独だった。俺の声に耳を傾ける人など誰もいない。カーテン越しに街を見た。少し気にかけてくれる人はいるけど、背後にはいつも悲しき現実。薄明かりの中座り込みながら自分の人生に乾杯をした。

窓を明けて、誕生日に親父に貰った。ギターのホコリを吹き払う。なんとか気持ちを落ち着かせる為に、古いノートの走り書きに、色あせたインクの文字に、涙が落ちた。まだあの想いにひたったまま。もう一度だけなら笑顔でごまかせるだろうか?消えたい。俺の過ち。俺の臆病な過ち。左手はまだ、震えてる。もしかしたらもう駄目なのかもしれない。だけど俺は此処で未だに居場所を捜しながら頑張ってる。