くうちゅうくらげ

-A Boys Named No.28-

晴れた日が必ずしも素晴らしい日とは限らない。

よく考えれば。さっきまで乗ってたタクシーでもかっさらって、あの商店街にでも追突してやれば良かったか。そうすれば遅刻や欠勤の大義名分も立つし、長いこと休暇を取れるってモンだ。巻き込まれた遺族が背負う悲しみ…と、身勝手な行動に頭を下げる親族…。言ってしまえばこの弱さこそが、自分自身や赤の他人を救うハメになるって皮肉なモンだな、全く笑えてくるよ。そして…たまに自分の決断力の無さにいたたまれなくなる。

噂によると俺の友達はみんな、若い頃の情熱と引き換えにスーツを手に入れる予定らしい。みんな一生懸命だけど、だからって世界が変わるわけじゃないさ。そこまでは同じ。変わることを決断するのにも、変わらないことを決断するのにもどちらにしても勇気が必要だね。他人の人生も自分の価値観でしか図れないものだから、あまり信じてない。

知ってるさ、いつまでもガキみたいなコト言ってんなって言いたいんだろう。だけどガキみたいなコトをいつまでも言ってて何が悪い?どうせいつか死んじまって何も手に入らずに終わるんだったら何をしてても同じこと。俺は俺のままでいい、それで前に進めるハズだ。そんで、あんたもあんたのままで前に進めるハズさ。ただ俺は俺の好きなように、やらせてもらうぜ。