くうちゅうくらげ

-A Boys Named No.28-

風のように雲を越えて。

前だけを見て歩くんだ。俺が生きる事が出来るのは次々と押し寄せる、今この時だけなんだ。

どうやら今日は近所の小学校の運動会らしい。家の周りを歩く子供達は赤白帽をかぶって笑っていて。少年が行き着く、そこにはきっと応援する母親やクラスメイトがいる。少年は好きなコの為に頑張るけれど、少年の好きなコは自分じゃないヤツの姿を辿る。勤勉で豊かな人たちは、「どうしてそんな不安定なものに憧れてしまったんだ」と諭す。親切で穏やかな人たちは、「頑張れって云ってくれる人がいるだけで十分だ」って嘘をつく。たくさんの人はきっと、まだ夢の中にいる。

みんな、どこから来て、どこへ行く?

俺は全裸で寝た。毎晩死んで、毎晩蘇るんだ。ベッドから落ちた。目を覚ますと、俺はいつも同じことを考えている。雨が降ろうと晴れていようと関係はない。前のようになりたいけど、戻れるかはわからないんだ。俺は全裸で部屋に転がっている。久しぶりに空は高くて、そして蒼かった。それだけで、十分だろうが。この空を飛ぶ前に聞いておきたいんだけど…「書くもの、あるかい?」ま、シンプルにまとめると、風邪ひいた。