くうちゅうくらげ

-A Boys Named No.28-

Please end this,Please end this,Before this ends us,Ends us,Ends.

何に対しての時間がないのだろう。
兎にも角にも寝る時間が確保できない。
いや、確保しようとすれば出来るはずだ。
ベッドで横になっても眠ることが出来ない。
何から逃げていると云うのだろう。

今日も雨が降っていた。
春の薄暗い陽気の中。
そして俺は言葉が出ない。

なんかみんな自分とそんなに変わらんのだろうなー、と思いながら道行く人を見てた。
特に何かあったわけではない。
GWが終わったらしい。
ちなみに俺はほとんど仕事だったから、終わった事実なんてどうだって良かった。
でも、街にいる人はここ数日はたくさんいた若い集団やカップルは消え、スーツを着て忙しそうにしているオッサン達に変わっていた。

少し腰を落ち着けられるように、映画館に行った。
事前に全くチェックをせずに行ったので、観たかった映画がまだ始まっていなかった。
仕方なくあまり観ようと思ってはいなかった映画を観ることにした。
やはり夕方の映画館にも人は全くいなくて、前列の方に座った俺の周りには誰もいなかった。

その後に喫茶店に入りノートPCを立ち上げて、余った仕事に手をはじめた。
しかしあまり集中できなかったので、気が向かなかったが電話で父親と話をすることにした。
それから色々と考えてみた。
家族のこと、友達のこと、仕事のこと、いろいろ。
相変わらず特に目立った答えは出ない。

後ろ側の席では、30代くらいと思われるオッサン達が数人で「国」についてディスカッションしていた。
内容はともかくとして、彼らはそれなりに楽しそうに思われた。
しかし自分がそこにいたとしても、あまり楽しめないような気もした。
何故か周りにいる人が全て、何か目的を持って生きているような気がした。
そして段々と苦しくなってきたので、作業は途中のまま外に出た。

18時を回っていた。
空は少し暗くなっていて、既に雨は少し上がっていた。