くうちゅうくらげ

-A Boys Named No.28-

遠距離恋愛雑記2

結果的に云うとSとの関係は終わらなかったんだよね。
だけどSとはそのコンビニでの俺の一言(昨日書いたやつ)以来、まともに連絡が取れなくなっていった。

1つとしては、自分に東京で本当に恋人が出来たから(Kとしよう、Kとはその先数年付き合うことになる)。
それともう1つ。
相手に恋人がいて、こちらにも相手がいる以上、あまり踏み込んだことは出来ないと感じたから。
それにその時に付き合ってたKがあまりにも女性関係の束縛が激しくて、やり取りできるような環境も減っていったから。

別に相手に彼氏がいようといまいと関係ないと思ったけど、「必要なのか」と思ったらそうでもなくなってしまった。
だって今までだって別に何の関係もあるわけじゃなく続いてきたのだし、会ったのだって数ヶ月前の飲み会で2年ぶりに会ったくらいなのだから。
要は別に恋人じゃないので、仲のいい友達ってくらいの話だ。
何かしらの気持ちを把握してからは連絡取るのは相手としてもこちらとしてもちょっと気持ちが変わるような。

とはいえひょんなところからまたSとは関係性を持つことになる。

詳しく書くつもりはないが、俺とKはいわゆる“破局と復縁”を頻繁に繰り返していた。
2ヶ月付き合って1ヶ月別れてまた戻る的な、恥ずかしい思い出だ。

まあそんな破局中のとき、自分はSに連絡をすることにした。
飲み会後にSと連絡を取り合ってから約1年。

その時はそんなに考えていなかったが、当時事実上地元と縁を切っていたはずの俺にとっては相談する相手がSしかいなかったんだろう。

いきなり電話するのは失礼だし(本当はいきなりで何を話せば良いかわからなかった)メールしてみた。
だけど確か1回目の(というか1ヶ月くらい)返事はこなかった。
もう忘れてしまったのかな、と思っていたのだが、エラーで返ってきているわけではないので思い切ってもう一度連絡してみた。
そしたらその10日後くらいに連絡が返ってきた。

内容は覚えていないが割といつもどおりだったような気がする。
それをきっかけにまたやり取りが始まったのだが、やはり以前とは違った空気だったと思う。
頻繁にやり取りが出来るわけではなく、返事が来ない日が何度もあった。
きっと忙しくなったりしていたのだろうとは思うし、俺が否応なく返事貰えるような、そこまで良い男だったかといえばそれはとても疑問だ。

当時ゴタゴタしていたKとの関係はそっちのけでSと連絡が取りたかったのは云うまでもなかった。
しかしSとのやり取りは続きながらも、別に何か進展があったわけではない。

18歳の話だっただろうか。
友人と旅行に行ったときにその話もしていたので、時系列は正しいと思う。

夏が終わり、Sとの連絡は週に1回ほどに減っていた。
Kとはそれなりに順調に付き合っていたはず。
順調とは云えども、今思えばKとの関係は既に破綻していたのだが、まあ今Kの話はどうでもいい。

二股とも云えないまでも、なんだか明らかに微妙な位置に自分がいたのは間違いない。
“好悪”で判断をするのだとしたらSの方が好きなのだが、Kの方が“都合がいい”
自分を好きでいてくれる身近な相手と必要とするか、距離も遠いし自分に対しての好悪がよくわからない相手を追い続けるのかどっちかだ。
しかも後者の場合は相手に恋人がいる。
さて、どうしたものか。

確実に気分は悪かった。
現実的な二股ではないまでも、気持ちの面では明らかに二股だったのだ。

他に好きな人がいるのにも関わらず、身近な人間に身を置くということだ。
世間的に「最低」と思われるかどうかは別としても自分の心の中は「最悪」の気分だった。
しかもSの話はKには一切話さなかったし、話していたしても。

とにかく俺はSを追う覚悟も出来なければ、Kと距離を置く覚悟も出来なかったわけだ。

一体どうしたものだろう。
ただどちらにしても、会わないと始まらないし終われないと。
そう思ったので、意を決してSと会うことにしたのだ。

意を決したのが18歳の冬。
19歳になるかならないかの瀬戸際の時期だっただろうか。
俺は大阪行きの新幹線のチケットを1枚確保して、ホテルの予約をし、準備は万全だった。
今考えれば順序が逆だろうと思ったのだが、それからSに連絡をした。
大阪へ行くこと、何日から何日まで滞在予定だということ。

とにかく自分は何かと臆病だったのかもしれない。
どちらにしても正直に云わなかったのは確かだ。
思えば正直に云っておけば良かったものの。
ただこれだけには答えられなかった。
「何しに来るの?」という問いにだけは。


中途半端に終わるわけにもいかないような気がしたので続きを。
コレ系精神磨り減りますね。
もう終わりにしようかな。
とにかく今日は終わり。
続きは明日次第。