くうちゅうくらげ

-A Boys Named No.28-

何も得ない。

約3年くらい一緒に働いていた仕事の同期の人間がワーホリに行く関係で退社するというのでお別れパーティに参加してきた。

まあ騒がしい会社なので、パーティとも云えばかなり長引くこと請け合いで乗り気ではなかったのだが、退社ということで今回は参加することにした。
ちなみに年に12回開催するとしたら俺の参加率は2回くらいだ。

コース的には大体
19時集合でメシ→居酒屋→2件目居酒屋(この時点で朝方くらい)→メシ→昼キャバ(俺は大体この前に帰宅する)→帰宅(上司が風俗に行き戻ってこない)
みたいなのが鉄板だ。
今回も大体そんなコースを辿ってきたわけなんだが、帰宅時に3人つぶれてしまったので、酒が飲めず終始シラフだった俺が彼らの家まで送り届けることになったのだ。(と、いうよりも風俗に向かう上司たちに押し付けられた)

まあそんなどうしようもない野郎共を引き連れて新宿に取り残された俺なのだが、つぶれたやつらは動ける気配が無い。
タクシーを呼んで送り届けられるほどの経済力もないので、ちかくのファミレスへ3人を引き連れ、動けるようになるまで待つことにした。

9時頃に1人が目覚め、軽く会話をしていたところ11時頃に残りの2人も目覚めたので帰らせることにした。

帰り際に、つぶれていた友人の1人が「ナンパをしよう」と他の2人を引き連れて新宿の街を徘徊するような妙な雰囲気になった。
俺は帰りたかったのだが、メンツとしても一番年下なので(立場は上とは云えども3人とも28歳)断ることもなく同行することに。
ちなみに断っておくが、このテの遊びには俺は全く縁がなく、ただついていくだけだ。

詳しく聞いたことはないが、基本的にナンパっていうのは個人プレイなのか知らないが、俺をある場所に残してみんな旅立ってしまった
まあその隙に帰ろうとも思ったのだが、10分くらいで1人が戻ってきたので、そいつと会話をすること約30分、みんな気が済んだのか今日は帰りましょう的なテンションに。

終始わけのわからない遊びに付き合わされてそろそろ帰ろうと思ったのだが最終的に
「28さん(俺のこと)だけ何もしてないっすよね、ちょっといいところ見せてくださいよ」と、わけのわからないフリをされて云われるがままに彼ら3人の前で初ナンパにチャレンジすることになってしまった。
白昼堂々新宿で。
迷惑極まりない。
しかしまあ、なんかしないと帰れないような雰囲気だったので(いやな会社だ)仕方なくチャンレンジすることにした。

ちょうどゲームセンター付近に差し掛かったときに、ちょっと美少女系の3人組みがいたのでそれに声をかけることにした。
まあ、ダメでもやりゃあ解放されるだろ。

初体験と云うこともあって終始緊張。
手馴れた様子でもなく俺が「これからどこに行くんですか」(なんだこの街頭インタビューみたいなのは)と云い、近づいて声をかけることに成功。

どうやらこの3人組はただ学校をサボって遊んでいるだけらしい。
「もう声をかけたからいいだろ」と思って帰ろうとした矢先、その3人が少し乗り気だということで少しの間付き合うことになってしまった。
完全に成り行きで組まれたわけわからんデートだ。
しかもこっちは俺を含めて4人なので俺は帰ってもよかろう。

そんなこんなで2時間ほど経過した後、いざその3人組の話を聞くと彼女が「中学生」らしい。

まずいだろ。
「学校」っていうから俺は普通に大学生かと思ったぞ、私服だし。

事実を知った後に、俺たち4人は帰宅することにした。

そんなときあることを思い出した。

実は中学校のとき友達のYとIと一緒にディズニーランドに行ったときに似たようなテンションになり、女性に声をかけたことがあるのだ。

ジャン負けで声をかけるということで、最初に負けたYが高校生らしき女性に声をかけて玉砕した。
そんでもって次にIが負けたのだが、Iはビビってやる気がなく結果的に俺の番へ。

俺だけ連絡先を聞くことに成功したんだけど、まあそのときに俺がチョイスして声をかけた人間が35歳の既婚者だったことはあえて云わないでおこう。(当然その先、連絡は一切取り合っていない)
どうも俺が人間を(特に女性を)見極めるセンスはかなりのズレが生じているらしい。
どちらにしてもナンパたるもので関係を築こうなんて笑止千万、何も良いことなどおきないのだ。(そもそも自分はこういうのが苦手だ)

そういえば前述の中学生にUFOキャッチャー代100円とアイス代合計300円持たされたんだけど、エンコウにならないよね。