くうちゅうくらげ

-A Boys Named No.28-

ふと、考えたこと。

物凄く下らないことなのだが、せっかくなので書き記しておきたいと思う。

俺はここのところ、毎日のように酒を飲んでいる。理由を強いて云うならば、それこそ暇だからという以外には寂しいからというのが当てはまると思う。いや、思っていた。一時期の自分はというと、もうどうしようもないほどの人に好かれたかった。男にも女にも、美少女にもドブスにも好かれる、人気者でありたかったと云うのが的確か。

但し、好かれるために自分の意図を曲げることは絶対にしない。ありのままに行動する自分のことを好いて欲しかったのだ。つまり、無条件に愛される神のような存在になりたかったのではないかという事だ。実際はどうだろう。そんな、いるだけで好かれる人間なんて、いるはずはない。

もう具体的にいつのことだかは全く憶えていないのだが、それではいけないと思ったことが確かにあった。そして、それを自覚してからは、とにかく人と関わり合いを持ちたくなくなった。

前置きはここまでにしておこう。兎にも角にもそんな意味で、自分で勝手に卑屈になり、人を信じなくなった俺がここにいる。いや、ここにいた。本当に何のきっかけがあったわけでもないのだが、この間家でいつものように酒を飲んでいるときだった。何日も誰ともまともに会話をすることなく終了すると、やはり「俺は生きているんだっけ?」という全く楽しくない思いが蘇るのだ。こういうときに、本当に無駄に人と関わり合いを持ちたいと思う。そうして、携帯を開いてみると、見事に連絡を取る相手が誰もいないことに気付く。いや、実際にはもちろん数人の名前はあったよ?でもね?

結局、何もしないまま数時間が経過した時に、本当に何かが舞い降りたように感じたんだ。もしかしたら俺は、人に好かれたかったのではなくて、本当は、人を好きになりたかったのではないだろうかということに。良く良く考えてみたら、人に好かれた例というのも滅多にないものだが、それ以上に自分が人を好きになったことがあっただろうか。多分、あっても10年以上前に1,2回、ここ5年なんて皆無に等しいだろう。つまり、そういうことだったのだ。

俺の中にずっと停滞している、この中途半端な孤独感というのは、人に愛されないことから出てきているのではなく、人を愛したいが故に出てくるものではないだろうか。…と、書いているだけでも全くわけのわからないテキストなのだが、忘れてしまうのもあまりに勿体無いので(俺にとって)残しておくことにしよう。

そうして、二日酔いの頭を抱えながらも、酒を飲んで今日を終えることとする。