くうちゅうくらげ

-A Boys Named No.28-

終わりの始まり。

文章が書けない原因がわかった。最近、全く孤独じゃないからだ。

当たり前だったろう。

感性を研ぎ澄ますために、孤独が必要だった。そして、孤独を失ってしまった時、自分を失った。

誰からも必要とされない中で、路地に唾を吐き続ける少年の思いは、今、何処を降り返ろうとも有り得ない。

なんということだろう。

俺にとって、文章は逃避だ。書けなくなった、そう、それならもう、何からも逃避しなくていい。これはこれでいいんだ、と思いながらも、また何かを書き綴る為だけに孤独になりたがる。俺はどこへ向かっているのだろう。俺は、何を、探して、いるのだろう。

誰かが、孤独は人生の友達だと云う。そして、それはまさに、「大人」という汚水に飲み込まれようとする俺の。

そうだ。俺にとって、逃避が人生だったんだ。

失われてしまった。

その途端に、本当に心から、死にたくなった。

今まで俺が「絶望」「絶望」と云ってきた、“それ”は“虚”でしかない。

これだ。これが真の絶望だったんだ。