君がいたから。
俺がいつかどこかで死ぬとしたら、それはここ。地球の片隅であることは絶対に間違いはないのだけど、絶命の瞬間はどれだけ良く見積もっても、名誉あるコトなど不可能なのだろう。
生きてしまったから。俺たちは生きてしまったから。ここまできてしまったから。そこで出会ってしまったから。
だからそういう風に「あなたしかいない」っていう目はやめてくれって、何度も何度も云っただろう。俺は真冬に漂う船の下を、ただただゆらぐだけのくらげでしかない。そう、彼のように、どこかで聴いた“君と一緒なら死ねると思った”を口ずさんであげてもいい。それが俺たちにとっては少しは余興になるだろうか。
永遠などはない、ということを肌で感じ取った瞬間に、俺の生活はすべてが変わった。それは、「僕」を「俺」に変化させることではなく、自分を他の人に変化させること。俺が俺じゃなくなっていくこと。俺が他人になっていくこと。
どんなことだって受け入れたさ。君がいるなら、俺はどんな風にだって受け入れた。ただここで、一緒にいれないことが。本当に寂しいだけなんだ。
だから俺は今日も焼酎を飲み、明けてゆくことのない空へ、拡散していくんだ。