くうちゅうくらげ

-A Boys Named No.28-

北の地へ、旅立ってきます。

今になって考えると、君が残した繋がりというものは確かに異彩色を放っていると思いました。
いつか君が口にしたそのままに、「異彩色」という言葉が似合うでしょう。
優しさで溢れている幸せな空間でしょう。

しかし、君が望む望まないは別としても、僕も君のいもうとも、そこに居場所はないのです。

彼女はそれに対して罪悪感を感じています。
僕には触れられない場所におかれた、触れられないもの。

いつしか僕は傍観をすると決めました。
ある日、君と一緒に湖の畔に腰をかけて話したあの夏の日の。
昇り往く朝陽を見たときのように。
言葉が出ないほどの風と光を感じ、どこかへ飛び立ちたいと思っていたあの日。

さて、今日も相変わらず深夜PCデスクに座りながら、あれやこれやとやっていましたとさ。
意識しなければ、何も変わるはずのない日常から、いつか解き放たれるときを夢見ているとは云えども。
馬鹿な言葉が行き交うこの場所がそこまで嫌いなわけではありません。

僕は素直に、好きなことを好きだと云いたい。
幼かったころの好き、と、今の好き、は違うものなのですから。
過去にも未来にも、僕は存在などせず、ただ現在を流浪するだけなのだから。

そんなこんなで。
僕は今日から用事があって、少しの間ではありますが、北の大地へ旅立ってきます。

衣類、ノートPC、愛読書、音楽プレーヤー、お気に入りの美容セットや香水やお香、おいしいコーヒー。

持ち忘れたものはないかな。

数日間の居場所でも、周りは好きなものでそろえたいんです。

この寒い時期に、さらに寒い場所に行く心境とは如何に…。

まあ…。
とにかく色々なことを考えながら、日々は過ぎていきます。
良い部分を残しながら、悪い部分をそぎ落とし、まっさらになって1日を迎えたいと毎日思っています。

心に息衝く僕の毎日が、彩で溢れていますように。

そう願う、とても小さな僕の1日です。