くうちゅうくらげ

-A Boys Named No.28-

僕の休日。

連休を取って、出かけてきました。
恋人に「家にばかりいると頭にキノコが生えてしまうんだよ」と云われたからというわけではない。
キノコが生えるってどういうことだ。

まずは新しいメガネが欲しかったのでメガネ屋に行きましたが、今使っているメガネが0.5までしか見えていないことに気付いて驚愕しました。
ちゃんと1.2まで見えるものにしたのですが、左の乱視があまりにも酷く、取り寄せになる、と。つまり「また改めて来てください」になりました。
金だけ払ってレシート(受け取りの控え)だけもらいました。
何故か損した気分になりました。

あと、眼科に行きました。
コンタクトレンズが欲しかったからです。
前から僕は病院がとても嫌いだったのだけど、その意味がなんとなくわかったような気がしました。
なんにしても病院は冷たい。
主に看護婦が、そっけないんです。
これはどこも同じような気がしました。
病院へ行くとどうしても萎縮して低姿勢になる。
だから嫌いだ。
そして肝心のコンタクトレンズはメガネと同じで、取り寄せるので「また改めて来てください」になりました。


その後に、目的もなく外をふらふらしてきました。
自転車で国道沿いを3駅ほど。
僕は昼から出かけると、割と遠くまで行ってしまう“くせ”があります。
知りもしない街の住宅街にすぐに入り込みたくなってしまう。

何故住宅街に入り込むかというと、「本物の喫茶店は住宅街の隅にあり!」という持論があるからです。
街を散策するのにあたって、喫茶店や変なお店を3時間でも5時間でも探してしまうことが良くあります。

今日も例外ではありませんでした。
知りもしない街の住宅街に入り、持論をもとに喫茶店を探し、似たような家の迷路から出られなくなり、元の道に戻っても左右どちらから来たのかわからない、といういつもの魔術にかかりました。
それにしても歯医者と美容室の多いこと多いこと。

途中で寄った古本屋にドキュメンタリー映画『OCEANS』のDVDが600円で売っていたのですぐに手に取り、それとジャズのCDを3枚ほど買いました。
古本屋を物色するのって割と好きな人多いと思います。

今日散策した街にはおしゃれな喫茶店はありませんでした。
途中で店に入ろうと思って、やめました。
たまにこうして疲れに負けて、ファミレスや大衆喫茶店に入って余計疲れると同時に
「こんなことなら家で映画でも見ていれば良かった」
という気持ちになることがあるので、教訓です。

街はそこに自分が存在するだけでも楽しいです。
いるだけでいいんです。
何もする必要はないです。
いるだけで色々なものが見えます。
色々なものが動きます。
それにしても夕暮れ時の公園。
住宅街の中心にある公園。
少年たちが蹴ったサッカーボールが僕をめがけてやってくる。
虚ろに歳を重ねた自転車に乗った青年に。
あるいは少年時代の僕に。


家の近くに戻ってきて近所の地味な喫茶店に入りました。
実は僕がこの街を出られない理由はここにあったりもするのです。

昔、友人にいつか喫茶店を開きたいという夢を語ったことがあります。
それはあの星の人魚がいるような店でもなく、黄色いネオンが光るような店でもなく、住宅街の片隅にひっそりと佇み「KEY COFFEE」の看板だけがおいてあるような、名も無き店。
ジャズを演奏できる場があれば良い。
宣伝もしない、広告も出さない。
やっているかやっていないかわからないような店。
薄明かりのランプのみで。
贅沢は云わんよ、種類豊富な旨い珈琲と、軽食と、ジャズさえあれば、それだけでいい。
ずっとその空間にいたくなるような。思わず詩を書きたくなるような、ね。

話がそれました。
しかし喫茶店!
喫茶店で音楽を聴きながら、旨い珈琲を飲み、雰囲気を楽しみながら、ノートやポメラに何かを綴るときの感情といったら!
しかしそれにしても、ここまで悦に浸ると文章すら出てこないものです。
いったいなんということだろう!
この気持ちをどう表現したら良いだろう!

だらだらと記事を書いて、自称“喫茶店フリーク”は、その店を背にして自転車に乗り、家路を辿ります。
昼下がりは夜になり、夜は夜明けになります。
そして明日からまた、僕はネオンの中に戻っていくのでしょう。

こうして、僕は人生と現在を愉しむのです。
携帯電話など持っていかない方が良いですね。
今日は実に良い休日でした。



10時間以上入り浸る日があります。
珈琲はアイスコーヒーのことが多いです。
ネットに繋ぐのがとてもいやなので、基本的にはポメラです。
持論でしかありませんが、大衆喫茶店は滅べば良いと思います。
でもスターバックスの抹茶フラペチノは美味いです。


そこにアーケードがあると尚良いです。
しかし、未だに操作の仕方はわかりません。
雰囲気が大事だと思います。

それにしても、はてなの写真機能は本当に使いづらいですね…。