くうちゅうくらげ

-A Boys Named No.28-

なかなか止まらない。

部屋がめちゃくちゃだよ。
足下に落ちている鍵を見つけるために、古いダンボールをはじっこからひっくり返したんだ。
でもこの責任をダンボールが取ってくれるはずがない。
どうして僕が動かなくちゃいけないんだ。
せっかくだから、出かける準備も進めていた。
買いたてのスーツケースに詰め込みながら思ったことは、見慣れた「何の意味があるのかな」君。
素敵だね君は、いつも僕の傍にいる。
聞くはずが無いとわかって云っておくけど、絶対についてくるなよ。
ただほんのちょっと僕の気持ちを話すために、時間を取ってもらっただけさ。
相手にとっては、明日には忘れてしまうような気持ちってやつをさ。
誰か僕の背中を押してくれないかな?

最近は、それこそまるで古いダンボールに詰め込んだような言葉が僕の頭を埋め尽くしている。
掃除をするために書き記しているけれど、綺麗に整っている確信は何処にもない。
僕の心には引き出しもなければ本棚も無い。
いったい何処に並べれば良いのだろう?
そうなるとやはり隅っこに積み上げるしかないのだろうから、また心の中は重くなるね。
いっそのこと貴女が燃やしてくれたら良いのではないだろうか?

まさかこれだけの事をしておいてから、覚えていないなんて云うんじゃないだろうね。