くうちゅうくらげ

-A Boys Named No.28-

羨望

いやいやいや、ご冗談を、貴婦人。
僕の隣にあるものが見えるかい?
酒のボトルじゃなくて、もっとちゃんとした。
そうそう。
それさ。
融解性の電磁波と麗しき振動どっちがいい?
好きな方を選ぶんだ。
またまた、ご冗談を、貴婦人。
そちらは海の成分をなんとなくの感覚で均等化した微生物。
あなたの周りにご覧にいれましょう?
あれはかつて僕が愛した人。
名前は…いやいや思い出せないというわけではないのですよ。
ただちょっと…なんというかな。
恋人と言うには、間違ってまして。
ああ、はい、その通りです。
僕はね、身勝手だったのですよ。
認めるのは億劫ですけどね。
あはは、貴婦人。そろそろその腐った口を黙らせろ。

黙るのは僕ですね、すいませんでした。