くうちゅうくらげ

-A Boys Named No.28-

貧乏くじ。

なんかつくづく思うんですけど、世の中ってよくわかんないです。

別にレオナルド・ディカプリオに激似の僕が女にモテないということがよくわかんないってことではありません。

確かにそれもありますが、それは差し置いてよくわかんないことがたくさんあります。

たとえば僕にとってみればエグザエルが人気あるのもよくわかんないですし、アイドルがブログに新しいネイルの写真なんかを載せる理由なんかもよくわかんないです。

アイドルがブログにネイルの写真を載せるのがアリなら、僕が自分のちんこの写真を載せるのもアリなような気すらしてきます。

アリかナシかで云われれば、ぎりぎりアリな気がしてきます。

「ついにトチ狂ったか」と思った人もいると思うので、ちょっと載せるのは遠慮しておきますが、しかしそれにしても世の中よくわかんないです。

僕がオナニーしてる隙に東京ヤクルトスワローズバレンティンなんかはホームランを量産してるっていう事実も良くわかんないですし、友達に彼女がいて僕に彼女がいないってのも良くわかんないです。

 

そんなよくわかんない気持ちのまま、いつも通り、起きてから何もやることがなかったので、「死ぬまで寝るか」とつまらない気持ちになりつつも、人間そんなに寝られるものじゃないので仕方なく外にでました。

外にでても行く場所もやることもぜんぜんないので、公園でぼーっとしていたら、無駄にピアノが弾きたくなってきたので、あまり乗り気じゃなかったのですが、金もないし、過去にお世話になっていた音楽スタジオに出向きました。

 

スタジオの受付に運良くというか運悪くというか、かつて習っていた先生がいたので、声をかけたら無料で部屋を貸してくれる事になりましたので、6時間ほどピアノを弾いていました。

前は家にもエレクトーンがあったんですが、売っちまいましたので久々の長丁場の練習をしてきた次第です。

本当は2時間ほどで切り上げる予定だったんですが、いざ始めると時間が経つのは早いものです。

 

とはいえ前ほど楽しめないので、また無駄な時間を過ごしたなと思って部屋を後にすると、先生から一枚の紙を渡されました。

「7月x日(土)、xxホテル、午後19時~」と書いてある紙です。

悪い予感しかしなかったんですが、こいつは仕事の誘いです。

「やってられるか!クソハゲ!」と云うは簡単、しかし「これ出なかったら、使用料6時間で8670円だから」と云われてしまうと、断れる要素がありません、というか財布に1400円しか入ってなかったので断れません。

しかしまあ僕なんかに仕事を振ってくる愚か者もまだいたようです。

仕方なく、渋々承諾しました。

というわけで、8670円分のボランティアを押しつけられてさらに無駄に楽譜を積まれて帰ってきました。

 

残り数日しかないのに、こんなにたくさんの曲を覚えられるのか。

他人と会うとこういう災難が降り注いでくるので、やっぱり人間は出来るだけ他人と関わらずに生きていくのが賢明だと思いました。

やがて浄化され、尖鋭化するのである。

あのハゲが、かわいい女の子だったらよかったのに。