くうちゅうくらげ

-A Boys Named No.28-

T中氏と憂鬱。

今日は以前の同僚と飲みに行く用事があって六本木まで行ってきました。

僕の前の職場は六本木だったので、そこに呼び出された形です。

 

六本木に向かう電車は途中で美人が大量に乗ってきます。

約5年間通っていた場所だというのに、いざ久々に行くと凄い無駄に緊張します。

美女たちはきっと毎日セックスしていることでしょう。

根拠もなにもないのに無駄に羨ましい気持ちになってきました。

 

昔の同僚たちは、以前の僕と同じようにみんな死に気満々で生気を感じませんでした。

一言で云うなら「くさったしたい」と云ったところです。

ストレスフルで今にも死にそうなやつと既に死んだやつばかりでした。

話す内容も話し方も、クズの上にクソをぶっかけたかのような感じです。

こいつらの話などなんの面白味も有り難みもないです。

そんなことより惜しむらくは、財布の中に800円しかなかった僕は昔のように散財できないので、夜のお楽しみの前にとぼとぼと離脱したことでしょうか。

 

それから、一緒に帰宅することになった人呼んで「教祖」ことT中氏。

彼は御年38歳、髭と髪が伸び放題で、一緒に歩くだけでも恥ずかしく、この仕事をする前は「空を飛んでいた」というもうわけわかんないほど教祖と呼ぶのに申し分ない経歴の持ち主です。

約4年前、僕の後輩として入社した時のT中氏の第一声が「28さん、申し訳ないんですが帰りの電車賃を貸してください…」という衝撃的なデビューだったことは今でも覚えています。

そんな華々しいデビューを飾った彼も、今では立派な社畜となっている次第です。

 

そんなT中氏と帰る途中、昔のように「行きますかね…」と一緒に向かった先が某都内にある裏DVD専門店。

ここは僕とT中氏が仕事帰りによく寄っていた場所です。

 

酔ったT中氏は「28さんがいなくなって寂しくなりましたよぉ」と無駄に気持ち悪いことを云いながら、裏DVDを物色していました。

そして約20000円分のお買い物をされたT中氏は満面の笑みで道行く女性に絡むという非常にめんどくさいことをし始めました。

よく考えたら、T中氏と二人でいてろくな目にあったことはありません。

 

語るのも億劫ですが、以前に「腹がいたい!」とわめき始めたT中氏は突然全力で走り出して、立ち入り禁止エリアの某施設の便所に駆け込んだことがあります。

そして僕はそんなT中氏を渋々待っていたところ、警報がなってポリスに捕まりかけたことがあります。

もちろん僕は「駅で待ってます!」とメールを送り、T中氏を捨てて約1時間逃げましたが、その後T中氏は何事もなかったかのようにとろとろと駅に来て「おいてくなんてひどいじゃないかぁ」と云ってました。

ほかにもいろいろとエピソードはあるのですが、語るに面倒なので、まあいいでしょう。

そんなこともあり、T中氏と帰るのはかなり億劫でした。

 

結局、今日も無駄に期待を裏切らないT中氏はサラリーマンの足下にゲロって口論になりました。

なんとかそれを制止してから、駅員に連れていかれるT中氏の寂しそうな背中を見守ってから帰ってきました。

いったいなにが楽しくてこんな奴とつるんできたのか、今となっては自分で自分が信じられない次第です。

 

そういえば、今日飲み会でT中氏がひたすらに「類は友を呼ぶ」とバカの一つ覚えみたいなことを云って同僚の失笑をひたすら誘っていましたが、僕は彼の類でも友でもないことを願うばかりです。

合掌。