くうちゅうくらげ

-A Boys Named No.28-

人を好きになれない。

昔から他人にあんまり興味がないです。気になることといえば、美女のパンツの色くらいで、それもその美女自身に興味があるのかというと、かなり怪しいです。他人ってやつは期待すればするだけ裏切るからです。特に女はそうです。パンツの色は僕の期待をあまり裏切りません。なので当然のように、他人をあまり好きになりません。

 

だからといって、その代替品というのもあんまりありません。たとえば、僕はアニメやゲームなんかのキャラにも全く興味がありません。これはなぜかというと、作りものだからです。作りものに美学はあまり感じません。とはいえ、これはあんまりそういうものを見ないからそう思うのであって、実際に見たりやったりしたら、俗にいう「~ちゃん萌え」なんて平気でいう部類に進化(退化)するのかもしれませんが。

 

かわいい女の子は好きです。でもかわいい女の子が好きなのは、うさぎや犬やぬいぐるみをかわいいと思うのとあんまり大差がないような気がします。

 

ますます自分が何で楽しくて生きているのかということに疑問を感じてきました。でもある意味楽しみがあったところでそれはそれで面倒な気がします。やる気がありません。生きること自体にやる気がなければ、仕事や趣味にやる気がでるはずもありません。

 

話は少し変わりますが、今日は喫茶店である大発見をしました。

僕が好きなのは、たぶん表情なんだろうなということに気付いたんです。表情は素敵だと思います。パンツを見られた時の女の子の表情のことをいっているのではありません。笑顔が美しいです。泣き顔もわりと美しいときがあります。表情があまり変わらない人でも表情が変わらないという表情が美しい時があったりします。

 

僕は夜遊びだけは無駄に豊富でしたが、実際の恋愛っていうものの経験はほっとんどありません。というか、「付き合う」とか「彼女がいる」という形としてはたくさんあるにはあるのですが、原理的な「ふたりの人が惹かれあう」というか、まあ「好きでたまらねえ」とか思ったこととか実感したことがあんまりない。

それは僕が歪んだ恋愛経験をしているというのもあるかもしれませんが、それにしたってあんまり心の底から動くことがありませんでした。下半身はよく動くんですが、これはこれである意味なんとかしてほしいです。「セックスのしすぎ」で彼女にフラれるとかもう勘弁してほしいので。

 

僕はイケメンであり、さらにエロであり、絶倫でもあり、元気です。田舎の寂れた風俗に突っ込む度胸もあります。だけど人を好きになるという度胸と元気がありません。これはつらいからです。

なぜつらいかというと、心の底から水に飛び込むと沈没したとき大変だからです。僕はねえちゃんの喪失によって海の底まで沈没して、なんとか這いあがってきたものの、肺には大量の水が詰まったままです。

 

でもたぶんこれは、僕が人のことを好きになれない理由じゃないような気がします。だってねえちゃんがいなかったとしても、たぶんいまはこんな風だと思うからです。だから僕はこのあたりは全部ねえちゃんのせいにはしたくないと思います。

 

「もし~だったら」という例文は人生では通用しませんが、ねえちゃんとイチャこいたから「こう」なったというよりもは、「こう」だったからねえちゃんとイチャこいた、というのが強いような気がするからです。

 

人を好きになるってことは素晴らしいことだと思います。と、同時に恐ろしいことでもあります。ねえちゃんがまだ生きてたら、親に勘当されてもねえちゃんと結婚したかもしんない。でも、もうその可能性は消え失せた。悲しい、つらい。だけど僕はまだ生きていかなきゃいけない。

だからねえちゃんのことはいつか忘れなきゃなんないです。忘れるは云いすぎにしたって「ねえちゃんも好きだったけど、この人がもっと好きになった」とか思えないと絶対にいけないと思います。

 

なぜいけないかというと、人を好きになれないとなると、これは結構人生つらいんじゃないかということを知ってきたからです。別に結婚しなければつらいとかそういうんじゃなくて、潜在的に「人のことを大事に思えない人間」っていうのは結構つらいからです。

 

僕は引きこもりニートってわけじゃないんで、他人との関わりは人間としてある程度当然になってきます。今はあと数ヶ月の期間しかないバイトしかしてないので、いくら好かれようと嫌われようとあんまり関係ないのですが、これからふつうに学生生活や社会生活をするにつれ、必然的に人との関わりは増えてきます。

 

僕はほかの人の評価とかいっさい気にしません。というか前提として「人の気持ちは変わるもの」だと思っているので、あんまりアテにしてないというのが現状です。同時に人に好かれたいとも思わない。だけど僕はなんとかして「少しは人のことを好きになりたい」と思うのです。愛されるとか関係ない。愛してみたいだけです。

 

なんとかしたいです。でもなんともできないです。戦略がありません。好かれると逃亡します。好きになるには自分から行動しなけりゃなりません。だけど行動はめんどくさいです。「セックスしたい」それだけで女の子と付き合えるだけのモチベーションがあるのは20歳までです。

 

なんていうか今一度心から「人のことを好きになる」あの感情を味わいたいものです。なぜならばそれらはとても美しい気持ちだったからです。