くうちゅうくらげ

-A Boys Named No.28-

これが最後の会釈。

この間、大して仲が良くもない同級生との飲み会に誘われたので行ってきた。なぜ僕は行くのだろう。今までさんざん後悔しかしていないのになぜ行くのだろう。今となってはそう云える。

 

特に事件めいたことは何もなかったのだが、女Aが男Wに「Wくんは風俗に行ったことある?」と聞いていた。そもそもそんな質問は女に「メイクしたことある?」とか「ごはんに明太子のっけたことある?」程度な質問なわけだ。そりゃその女の質問が「SMクラブに行って浣腸されたあげく、金玉を50回くらい踏みつぶされて、蝋燭を局部に1時間垂らされて、風呂場に監禁されたことある?」という質問だったら、頭の隅々まで辿ってYES or Noを判断することもできるのだが、御年24歳にもなって風俗に行ったことのない男子など絶滅器具種だ。

 

しかし男Wは「行ったことないよ」と閻魔様もびっくりの大嘘をつき始めたのだから救いようもない。その直後に「28くんは?」と聞いてきたので僕は満面のスマイルで「300回くらい。でも本番はしたことないよ☆」と云ったら空気が悪くなったのですぐに帰ってきた。

 

あそこは閻魔様を怒らせてでも「行ったことあるわけないだろ。あんなの行くやつは不潔だし節操もない。お金も無駄だし、そもそも俺にはAちゃんがいるから何も問題ないだろ」とでも云っておけばよかった。

 

だけどそれで万が一Aちゃんが僕に惚れたところで、どうせ後日風俗嬢の名刺だとかキャバクラのポイントカードだとかが見つかってフられることは目に見えているので、最初から災害に対する備えはしておくべきだ。備えあって憂いなし。例の大災害から3年経とうとしている。あれから何も学ばないのなら、ただの猿と同じだ。この行動は僕が猿よりも優れていることの証明だ。

 

素直に生きるより嘘を付きながら生きる方がモテる世の中か。ついでに云えば風俗なんか行かなければもっとモテるわけか。ちっ。