くうちゅうくらげ

-A Boys Named No.28-

与えることは容易じゃない、雨もまた然り。

ドラマや映画やマンガなんかでは、どんなにクズ人間でも最終的にはすごく可愛い女の子と付き合えたり結婚できたりするわけだけど、実際はクズはクズのままで“キモい”は“キモい”のままで人生を終えることになるのだからタチが悪い。

 

そんなタチの悪い人生だが、僕も記憶には甘い日々や美しい日々がそれなりにあったわけで、案外哀しみや虚しさだけの人生じゃなかったような気がする。おもちゃ屋の前でこれほどまでに泣いた過去、そして、愛情を持ってくれた人が傍にいてくれた日々を思い出す。思い出したところでクズはクズのままであるのだから、せめてクズはクズなりに自分を慰めれれば良いと思う。

 

今日、手持ちの5000円でメダルゲームに行って1メダルも返ってこずに終えたこの現在もいつか過去になって笑い話になってくれればいいと思う。願わくば来世では僕の愛したものすべてを返していただけるようにと切実に思う。