くうちゅうくらげ

-A Boys Named No.28-

岩手県旅行手記 2 3 4

徐々に投下するつもりだったけど、めんどくさいから一気に投下することにした。

 

2

 

昨日はやることがなさすぎて、無理に9時には寝床に着きました。

途中で何度か起きたり起きなかったりしながらも、すっきり朝の6時に起床。

 

起きてからアイホンを確認すると、深夜の2時30分くらいに知らない番号から1件の着信がありました。

用心深いことで有名な僕は、そこにかけ直す前にしっかりと番号をgoogleで確認しました。

なぜならば変な勧誘電話にコールバックしてしまった場合、普段からアメリマナティのように温厚なことで有名な僕だと太刀打ちできずに話に付き合ってしまうかもしれないからです。

で、検索をすると昨日断られた風俗店の番号でした。

うーむ、深夜の2時に「今からなら行けますよ」とばかりに突入してくるつもりだったんでしょうか。

「いけねえよ」とか云ってたくせにほんとツンデレですねえとばかりに感心したはいいものの、夜の8時に電話して真っ向から断られた客が深夜の2時まで期待して待ってるはずねえだろとも思います。

 

気を取り直して、7時にホテルの1階に申し訳程度に付いているレストランで朝食を取りました。

バイキングという名目でしたが、誰かの家のかあちゃんがちょっといつもより多めに作っちゃったというくらいのお総菜が並べてあるようなもんでした。

小さな頃から、学校を遅刻してでも朝飯は絶対に食うというほど朝飯フリークな僕はとりあえず色々と食いました。

中でもみそ汁が格段に美味かったです。

ただし牛乳は美味しくありませんでした。

 

腹一杯食った後、部屋で20分ほどぼけーっとしていたら腹を下しましたので、一生懸命キレの悪いウンを全て放出しました。

それからシャワーを浴びて髭を剃ってラジオ体操をするなど、出かける準備を済ませて、8時半頃にホテルを出ました。

そう、今日は唯一予定がある日なのです。

一応このために来たんです。

外は昨日とは打って変わって、一面雨模様でした。

 

駅からバスに乗り、20分ほど経過した場所で降りて、その場所でいろいろやって昼食のカレーも食って午後の2時頃に解散。

いろいろとやったことは大して重要じゃないので省きます。

それにしても色々とやらかしてしまった…

まあそのうち僕も相手も忘れるでしょう。

 

しかしそれにしてもこれからどうしよう。

一応龍泉洞には行ってみたいのですが、少し離れた場所にあるようなのでそれは明日に回すとして。

昼の3時から夜が更けるまでホテルで鬱々としててもいいんですが、それではあまりにももったいないような気もしますし、なんだか無駄に悲しいです。

バスがたくさん出ているのでおもしろい場所もたくさんあるような気もするんですが、この地では電車同様、行ったっきり帰れなくなるんじゃないかという心配がそこかしこにあります。

なので、最悪タクシーでも帰れるくらいの距離にしようと思いました。

またアイホンのお世話になりながら色々と検索していると、ここの近くでそれなりに楽しめそうな場所は浄土ヶ浜です。

というか、それしかありませんでした。

 

しっかりとバスの時刻をチェックするものの、googleでは限界があったのでホテルのロビーの大して美人でもないおばちゃんに話を伺うと、なんともスムーズに色々と説明してくれた挙げ句、バスの時刻表までご丁寧にくれやがりました。

有り難いぞおばちゃん!

もし貴女が若くて可愛くてCカップ以上で黒髪ショートヘアだったら「この後俺の部屋に来ない?」とトム・クルーズ顔負けの笑顔で誘ったりしたいところでしたが、贅沢は云えないのでまあいいでしょう。

 

というわけで、重たい腰を上げてバスに乗ること20分、おばちゃんに貰った観光資料を元に浄土ヶ浜の辺りを散策しました。

浄土ヶ浜は霊鏡和尚という聞いたことも見たこともないおっさんが「さながら極楽浄土の如し」と感嘆したことから付けられたらしいです。

めちゃくちゃ山道を登らされました。

雨はかろうじて降っていないものの、辺り一面の曇り空が残念と云えば残念でしたが、確かに綺麗です。

綺麗すぎて海に浮かぶ岩の一つ一つがおっぱいに見えてきました…。

前は海、後ろは森、という逃げ場所の無さもいい感じです。

もう少し時間が早ければ遊覧船なんて粋なものもやっていたようですが、眺めているだけでも綺麗なので良いでしょう。

しかもここらの岩には「潮吹き穴」や「夫婦岩」なんていう色々な事を想像してしまうようなエッチな名前もついてます。

それだけで僕は満足しました。

 

確かにここまで綺麗ならば浜辺に佇むだけでも良かったのですが、それだけでは時間がもったいないです。

何しろ最後のバスは18時20分です。

そんなに時間に余裕はありません。

 

近くに色々な施設があったので、軽く回ろうと思って、まずは近くにあった岩手県立水産科学館という建物に入りました。

ここにはあまり美味しそうでない魚とウニの模型とかありました。

あとアザラシの剥製がありました。

アザラシはかわいいです。

三日三晩見ていても飽きないです。

それと、たぶん地元の学生は社会科見学でここに来させられるんだろうなと思ったり思わなかったりしました。

 

しかし、ここ大丈夫か。

人が一人もいないぞ。

自分と従業員とウミネコというカモメみたいな鳥以外誰もいない。

ここまで来ればなんだかんだで賑わっていると思ってましたが、そんなことは全くありません。

うーむ。

 

結局山道を歩き疲れたので18時半どころか17時のバスでホテルに戻ってきました。

更に疲れているからか、バス酔いしました。

 

しかしこれからどうしよう。

せめて飲み屋だけでもあれば無駄な時間を少しは有意義に過ごせたんでですがメシ屋すらない状況。

外を歩くにも雨も降ってるし結構疲れました。

 

そんなこんなで、結局ホテルでテレビを見たり盛岡のデリヘル情報を下調べ(伏線です)したりしてたら9時頃に眠くなったのでメシも食わずに寝ました。

 

が、しかし。

無駄に怖い夢を見たり、部屋が暑かったりして11時頃に目が覚めてしまいました。

御歳24歳にして、怖い夢で起きるなんて恥ずかしい限りです。

余計なことを云わせてもらうと、何故かフル勃起してました。

 

中途半端な昼寝みたいな感覚になってしまったので、また寝ようにもなかなか寝付けません。

それに、結局夜メシを食わなかったことを思い出すと無性に腹が減ってきました。

なので僕は外にでて、わりと距離のあるコンビニへ向かいました。

コンビニでわかめラーメンというカップ麺とからあげクンレッドなどを買って戻り、わかめラーメンに70円の味付け卵を乗せ、更に水は130円の龍泉洞の水を使い、無駄に豪勢にして食いました。

ちなみにわかめラーメンはカップ麺の中でも一番美味です。

 

食い終わってから色々と考えごとをしたりしなかったりしてたら、眠くなってきました。

結局深夜の2時です。

おやすみなさい。

 

~続く~

 

3

 

僕は寝ました。

これでもかというくらい寝ました。

目が覚めたのはフロントからの電話が来たときでした。

「もうすぐ12時になりますが、お部屋のお掃除は如何なさいましょうか」

僕は「Jesus Christ!」と叫んでから飛び起きました。

時計は11時半を指してました。

寝すぎたぜ…。

もちろん朝食バイキングはすでに終わってます。

600円損してしまいました。

ガッカリしながらシャワーを浴びて上がると、何故かドアのすぐの場所にカードが2枚落ちていました。

このカードはよくビジネスホテルにあるエロテレビを見るためのカードです。

「なんだこんなところに落としてたか…」と思うも、よく考えたら僕はこんなもの買ってないです。

いつもは買ってしまうので存在すら珍しくもなくなったこのカードですが、いったい誰が何のために僕の部屋にこんなものを入れたんでしょう。

ホテルの従業員が僕の可愛くて可哀想な顔を見て密かにドアの下からスライディングさせてくれたんでしょうか。

それとも、隣の部屋のサラリーマンが昨日大音量でエロ動画を見ていた可愛くて可哀想な僕の為にプレゼントしてくれたんでしょうか。

「それにしたって2枚もいらねえぞ!バカにしやがって!」と思いながら、そのカードを丁重に鞄にしまいました。

 

それから、気を取り直して出掛けることにしました。

今日は龍泉洞に行くという計画をしていたので、準備をしてから意気揚々とフロントへ降りました。

今日は昨日までとは打って変わって良い天気です。

そしてフロントで全く可愛くもないおばちゃんにバスの時刻表を見せてもらうと思わず失笑してしまいました。

「え?この時間でもバスないの?」

日曜だと云うのに有り得ないほどの便の無さです。

2時間に1本あるかないかにも関わらず、12時ちょっと前には直通のバスがなくなってしまうのです。

これには困りましたが、おばちゃんは「この駅まで行くバスに乗れば、終点からタクシーで行けるから」と丁寧に教えてくれやがりました。

なので、それに乗って近場まで行ってからタクシーに乗ることにしました。

これで更なる出費確定だぜ…。

ちなみに抜かり無く帰りのバスをチェックすると何故か帰りのほうは20時まできっちりありました。

なんでだ。

 

バスは13時10分発。

まだ12時前だったので、無駄にガッカリしながら余った時間を潰す為に駅の近くの「カフェ・ド・ステーション」という何の捻りもない適当な名前の喫茶店に入りました。

ここの喫茶店はなかなか古めかしい作りで、スロットのアーケード(席がゲームになってるやつ)まで付いてました。

コーヒーもまあまあ美味かったです。

マスターと思わしきおばちゃんはずっと現地の人と喋ってました。

立ち聞きならず座り聞きをしようと思わないでもなかったのですが、お互いあまりにも訛りが凄くて聞くに堪えないので、レッチリを聴いてました。

 

店を出る間際、どうも不安な僕はマスターのおばちゃんに聞いてみました。

「小本駅から龍泉洞までタクシーでいくとどんくらいかかるの?」と。

すると「7000円はかかるぞバカじゃねえの」というとんでもない返事が返ってきました。

さすがに7000円もタクシーに払えません。

7000円あったら風俗には行けないですが、キャバクラ1セットくらいなら行けちゃいます。

そもそもなんでホテルのおばちゃんはタクシーで行ける距離だと平気で言い放ったんでしょうか。

なんとかバスで行ける手段はないものか…とうなだれていると、おばちゃんは「だったら北リアス線でいきゃええじゃんバカ」と云ってきました。

「北アヌス線?」そんなの初耳です。

その後、おばちゃんは無駄に丁寧に説明してくれました。

訛りが酷くて所々聞き取れませんでしたが、翻訳コンニャクの効果によると、とりあえずバスでは1時間かかるが、電車だと30分。

更に電車なら龍泉洞に直接行くバスにも間に合うとのこと。

「ナイスばばあ!」と思わず云ってしまいそうになるほど、僕は感謝の上に感謝を重ねた感謝をしました。

おばちゃんがもう少し若くて黒髪ショートヘアでCカップ以上だったら下の方でも感謝をしようと思いましたが、残念です。

 

そして僕は駅まで軽い足取りで向かいました。

北アヌスじゃなくて北リアス線のホームで切符を買うと、駅員が無駄に丁寧に時刻表のコピーをくれました。

確かにこれならば大して時間も金も使うことなく龍泉洞に行けそうです。

良く考えたらホテルのおばちゃんがここまで教えてくれたら何の苦労もなかったのですが、まあなんとかなったのでいいでしょう。

 

北アヌス線はあの有名なアヌス式海岸を通りながら、北に進むと桃源郷、南に進めば酒池肉林が広がることで有名な電車なら良かったんですが、北リアス線はリアス海岸線を通りながら北に進んでいく電車です。

僕が乗るのはこっちの北リアス線という電車でした。

海が綺麗に見れるかなと思ったのですが、実際は山とトンネルしかありませんでした。

電車に揺られること30分、小本駅に到着し、すぐさま龍泉洞へのバスに乗り込みました。

それにしても長閑だ。

こんなに長閑でいいのだろうか。

バスからの景色は主に川沿いになりました。

誰もいませんでしたが、多分渓流釣りとかできるんでしょう。

そういえばしばらく渓流釣りとかしてないので、久々にやりたくなってきました…。

 

そしてバスに乗ること30分、遂に龍泉洞につきました。

第一声は「す、すげえ…」でした。

それほどすげえ場所です。

まず何より渓流が綺麗です。

建物も綺麗ですし、景色も素晴らしいです。

なんというか、遂にここまでやってきた!感があります。

一つ残念だったのは、カップルが多かったことです。

いつも当然のように一人なので考えもしませんでしたが、たぶん旅行って一人で来るもんじゃありません。

 

逸る気持ちを抑えて、腹が減ったので、まずは食事処でうどんを食いました。

かけうどんはどこにでもあるような普通の味でしたが、腹が減っていたのでいつもの2倍美味しく感じられました。

 

腹も膨れた所で、ようやく龍泉洞に入りました。

中に入ると、「さ、さむい…」と思わず云ってしまうほど、何故かとんでもなく寒いです。

前にいるカップルも寒い寒いと云っていました。

こんだけ寒いとあまりの寒さにいきなりセックス、そしてご懐妊の流れになってしまっても全く不思議はありませんので、無駄に不安になりながら、僕は奥へ進みました。

奥に進むごとに「its amazing!」と叫んでしまうほど凄まじい美しさに僕は感動を隠せませんでした。

前にいるカップルは「寒い!早く出よう!」とかふざけたことを云ってました。

というかそもそもどうして国の天然記念物を見るために女をつれてくるんでしょう。

こういう場所は一人でしんみりと観賞するためにあるんです。

女はセックスのためだけにいるんです。

すいません僕も本当は女の子と来たかったです。

しかし、そんな雑念もかき消してくれるほど素晴らしい景観でした。

コウモリも洞窟の中を優雅に漂っていました。

 

実に素晴らしいなあと思いながら出て、近くにある資料館のような新洞という場所に行きました。

ここもめちゃくちゃ寒かったのですが、まるで俳句でも書いて女の子にメールしたくなるような気分になるほど、素晴らしい場所でした。

飛び交うコウモリを見て前のカップルが「やだーこわいー」なんてことを云ってました。

というか男女に関わらず、こういう場所にきて不満ばかり垂れるというのは何事なんでしょう。

「ほはぁすごいぃいくぅ」とまではいかなくても声にならないほどの感動を覚えるというのが本来するべきことなんじゃないでしょうか。

なんてどうでもいいことを思いながら、僕は感動して中から出ました。

きっとさっきのカップルは今頃中に出している頃でしょう…。

 

さて、戻りのバスが来るまでは有に2時間はあります。

出たはいいもののここは山の真ん中で周りには特に何もありません。

無駄に散策して戻ってこれなくなったら困るので、散歩することもやめておいた方が良さそうです。

どうせ僕のことだから、途中で見慣れない吊り橋とか無駄に渡って、落ちて渓流に流されて死ぬというオチは目に見えているからです。

なので先ほどのお食事処の外にあるベンチに座って、ポメラで記事を書いたりしてました。

しかしとにかく虫が無駄にいるので残りはホテルに戻ってから書こうと思い直し、龍泉洞の近くのお土産屋とかをうろうろ物色してました。

良く見ると近くに釣り堀のような場所があるようでしたが、どうせ僕のことだから、ここで釣りに熱中して、帰りのバスに乗り遅れて取り残されて死ぬというオチは容易に想像できたので、自粛しました。

20分ほど歩いた距離に温泉もあるようでしたが、少し遠いのと前にも何度か書いたとおり、僕の体にはよからぬものが色々と入っているのでこちらも自粛しました。

 

結局、僕はお土産屋に置いてあった腹の辺りを押すと奇妙な声を出す人形をいじりまくっていました。

 

想像してみてください。

御年24歳、周りはすでにバリバリの会社員、彼女を作って結婚間近ともいうのに、僕はというと現在フリーターで仕事はあっても週に2日、タバコの吸いすぎで命も危ういかもしれなく、更に毎日下痢毎日オナニー、彼女が出来ないからと云って無駄に風俗に通いづめ、死にそうな顔をしながら家でゲームやパソコン、更に空しさを抱えて無駄に一人で旅行に行って更に空しくなっているという男が、奇妙な声を出す人形をいじっているんです。

いや、やっぱり想像しないでください。

 

そんな無駄に卑屈なことを考えていたら小腹がすいてきたので、外の屋台みたいな場所で鮎の塩焼きが売ってたのでそれを食いました。

小振りなサイズでしたが、腹に卵をハラんでおり、めちゃくちゃ美味かったです。

のどに刺さった骨を名選100に選ばれている龍泉洞の水で流してから無料休憩所でのんびりとしていました。

景色を眺めて、一通り感傷に浸った後、「さて、いきますかね…」とゆっくりと腰を上げてバスに乗りました。

 

バスに揺られること30分、戻ってきた小本駅で30分ほど待ち、「さていきますかね…」とゆっくりと腰を上げて北アヌス線に乗りました。

 

特に変わり映えもない山を走り、宮古駅に到着。

時刻は19時半。

もうほとんどの店は閉まっていて、駅の周りも街灯がちらほらという程度になっていました。

特にこれから行けるような場所もないので、ふらふらとコンビニに寄ってからホテルに戻りました。

 

明日は盛岡に4、5時間ほど滞在する予定なので、盛岡の観光情報や主にヘルスなどを調べました。

盛岡は色々と栄えていて、更に色々と見られる場所もあるようです。

やっぱり盛岡に泊まれば良かった…。

そう後悔したりしなかったりしながら、タンタン麺のカップ麺を渋々食いながらテレビを見てました。

テレビを長い時間見ると疲れるので、途中から読書に切り替えたりしました。

「しかし、これじゃあいつも家でできることと大して変わらないじゃん…」と思うものの、外に出ても暗くて怖い思いをするだけなので渋々ホテルで過ごしました。

 

寝すぎてなかなか眠れませんでしたが、無駄にワクワクしたり寂しい思いをしながら就寝しました。

 

~続く~

 

4

 

なんだかんだで最終日になってしまいました。

寝付きが悪く、何度も起きたり起きなかったりしながらも、だらだらと朝7時には起床。

うつらうつらしながら朝食バイキングへ行き、2日前と全く同じメニューを食べていたら目が覚めてきました。

やっぱり朝飯はいいですね。

 

部屋に戻って、時間まで読書をしたり、旗を下したり片づけをしていたりしました。

そして9時にチェックアウト。

駅が近いとは云えども、9時半の電車に乗り遅れたら帰れなくなってしまうという凄まじい便のなさなので余裕を持ったのです。

それにしても快速電車が9時半しかなくて、ほかは普通電車、更に終点の盛岡までは到着しないというのであれば、実質この電車が始発であり終電でもあるのです。

なんでだ。

ついでですが、行きの失態を繰り返したくなかったので下痢止めを飲みました。

下痢止めは好きではないのでできれば手を出したくないのですが、仕方ないでしょう。

 

「さらば宮古」と手を振ったりちんこを振ったりして無駄に感傷に浸ってから、電車に乗り込みました。

乗客はそこそこいました。

電車は相変わらず頼りない音を立てて進んでいきます。

 

行きの時と違って、今回はしっかりと景色を見ることができました。

海岸方面から山を登り、内陸方面に進んでいくので、基本的には山と川。

ところどころに街のようなものがあり、それを通過して間もなくするとまた山と川。

これの繰り返しです。

 

しかしそれにしても、川ってこんなに美しかったっけ。

綺麗な渓流を見るのは高校生の頃以来のような気もしないでもないです。

たまに釣りをしてるおっさん達も見受けられます。

吊り橋も「すげーでっけー」というものから「だいじょうぶかそれ」というものまで様々見られます。

そんな渓流の上を優雅に鳥たちも羽ばたいています。

ここにいる鳥は都会にいるようなカワラバトやハシブトガラスなどといったゲロや生ゴミを食う汚ならしいものではなく、シギやヤマバトやトンビやプテラノドンといった美しい鳥ばかり。

見てるだけでも凄まじさを感じます。

汚れきった僕の心を洗浄してくれます。

アイホンから流れてきたfall out boyあたりに云わせれば「デトックスさ、また毒を入れ直すためにね」です。

ある意味、天気が良い今日にこの景色を見られたのは行きに腹を下した妙義というかご褒美のようなものでしょう。

 

そんな感傷に浸っていると電車はすぐに盛岡駅に到着しました。

帰りの新幹線までは4時間以上あります。

もう迷うことはありません。

あれだけ心が癒されたのですから、今度は体を癒しましょう…。

そしてプレハブ小屋の様なラブホテルに全くためらうことなく一人で入りました。

他の人生の重要ごとについては一切の決心すらできないくせに、ここらへんの勇気に関しては無駄に自画自賛したいところです。

更に迷いことなく、某デリヘルに電話をしました。

15分ほどで到着するとのこと。

我ながら男らしすぎることが誇らしすぎます。

そして同時に情けなくもなります。

 

無駄に非常に緊張して待つこと20分、予想通り大してかわいくもない女がきました。

なんというかまあ、色々なサービスプレイなんぞをしてくれたわけですけども、まあここは風俗の情報を書く場所でもなんでもないので無駄に省かせて頂きます。

そういうことはもっと気が向いた時に書きます。

プレイ終了後に無駄に早漏すぎた僕でありますので、これまた無駄に時間が余って会話をせざるを得なかったんですが、そのときに女がやたらと金の話をしてきたので、なんだか無駄に怖くなって帰らせました。

そんなこともあり、色々な意味で風俗はもうやめようかなと思わないでもなかったのですが、まあ僕はいつもそう思うのでどうでもいいでしょう。

うーん、もっと純粋な恋愛というやつがしたいものです、切実に。

 

ラブホテルにいるのも飽きたので、駅の近くにあったタリーズコーヒーでアイスコーヒーなんかを飲みながら、自分の無駄さについて改めて考えていました。

これからは下心も少し我慢しよう…と3日も続く予感のしない無駄な決意をして、コーヒー屋を出て、メシ屋を探しました。

観光しても良かったんですが、さすがにここまで来てまた更にバスに乗ったりして移動するのはかったるいのでやめました。

 

そしてすべてクソくらえなんていうつまらない気分になってきました。

心を癒すだけで満足してれば良かったのになぁと後悔。

いつもそうです!

 

気を取り直してメシ屋を探しましたが、居酒屋ばかりのこの街は昼営業している店があまりありませんでした。

さすがに松屋吉野家に入るというのも気が引けましたが、風俗で真に無駄に散財した僕は金がそんなにありません。

どうせ僕のことですから良いものを食って帰りの電車賃がなくなり、そのまま置き去りにされて凍死するというオチは簡単に想像がついたので、デパートの地下にある蕎麦屋に入りました。

 

ここの蕎麦は食材の9割を岩手県産にこだわったというもので、安上がりなわりにも無駄に美味かったです。

油っぽいものを食うと絶対に腹が下るか嘔吐するかというほどのテンションだったのですが、美味しく頂く事ができました。

 

食い終わってから少しドトールコーヒーで休憩をして、お土産を必要最低限買い、待合室で鬱々と時間を待ち、「さらば、盛岡」と手を振ったりちんこを振ったりしてから、帰りの新幹線に乗り込みました。

昨日あまり寝付かなかったこともあり、無性に眠くなったので爆睡。

なので帰りの新幹線については特になにもありません。

 

新幹線から降りて、まるで一時期の仕事帰りのように鬱々とJR線に乗って帰りました。

遂に帰ってきました。

疲れました。

 

しかし思ったよりも文字通り散財してしまいました。

月末の給料日までどう凌ごう…

みなさんどうか憐れんで下さいますよう、無駄によろしくお願いいたします。

 

~おしまい~